hybridたんの日記

多趣味過ぎてまとまらず。映画、本、日常、酒。

ネタバレ注意! 「ターミネーター ニュー・フェイト」レビュー

ターミネーター ニューフェイト

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⚠︎このレビューは完全ネタバレですのでご注意ください。

 

 

ターミネーターシリーズ第6作目の本作。

あの伝説的なヒットを出した2作目の正式な続編との事。今まで散々大コケしてきた続編の数々の中で、今回はこれまで何度も続編の出演を断り続けてきたサラ•コナー役のリンダ•ハミルトンがファン待望の復帰という事で期待が膨らんだ。

 

⚠︎ターミネーター1.2のストーリーは理解された上でレビューを進めます。 

 

 

 

・感想 『やはり無理があった…。』

 

1.『冒頭5分ほどでツッコみどころスタート』

 

2の最終決戦が終わり、のちに未来のレジスタンスのリーダーとなる息子、ジョン•コナーと共にスカイネットのロボット達が世界を支配する未来を阻止したサラとジョン。 

平穏な日々を取り戻したと思いきや、溶けて機能停止した筈のシュワちゃんT-800が再び現れ、ジョンを射殺する所から物語はスタートする。

 

母親のサラはすぐにシュワちゃんターミネーターに銃で応戦するも、ジョンはすでに息を引き取る。 

任務を遂行したT-800型シュワちゃんはその場を去る…。

 

ジョン•コナーだけの殺害のミッションだとしても、今まで任務の為に他の人間も巻き込んで淡々と殺害してきたターミネーターならこの時点でサラも殺害する筈である。尚更、あのサラ•コナーであるならその後、復讐でのちに何らかの行動を起こす筈。であればサラも十分殺害される可能性がある筈なのだが…

 

 

冒頭から「あれ?大丈夫か?コレ笑…」と不安になる。

そのまましれーとシュワちゃんは海辺に帰っていきます。

 

※ただ、このシーンのCG技術はめちゃくちゃ素晴らしい!2当時のシュワちゃん、リンダハミルトン、そして当時の美少年の面影は全く消え、今はただの顔色悪いデブのおっさんとなってしまったエドワード・ファーロングが現代の技術で当時の見た目になっているのは時代の進歩を感じた!

 

一応参考までに当時のエドワードと現在の彼の写真を貼っておこう。

 

 

91年公開当時 

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現在のエドワード

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うん。

 

 

 

まぁ、大体子役てブサイクになるよね!

シックスセンスのハーレイ君もな。

 

 

 

2.『助っ人未来人、グレース』

 

はい。ではストーリーに戻りましょう。

 

それから月日は経ち、現代。

今回はメキシコを舞台にメインでストーリーが展開する。

 

 

歌手を夢見る弟と仲良く同じ工場に勤める平凡なメキシコ人女の子、ダニエラ。通称ダニーはある日、弟が担当する工場の仕事が突然ロボットに変更されている事に腹を立て、弟に代わって上司に抗議しにいく。その間、未来から送りこまれた新型ターミネーター、REV-9がダニーの父親の姿で職場にやってきて、突然戻ってきたダニーを射殺しようとする。

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※REV-9は『2』のT-1000と同じく、触れたもの姿をコピーできる事に付け加えて、コピーした姿を中身のロボット骨組の姿と分離して二人分で行動できるのだ!

 

 

そこへ突然、未来から送りこまれた未来人、グレースがREV-2の頭に銃弾を撃ち込み、超人並の運動神経で五角に対抗する!

彼女は一瞬ターミネーターと思いきや、自らの身体を強化型スーパーソルジャーとして改造したほぼ機械の人間だ。

 

 

今までシリーズに登場した主人公を守る為タイムスリップしてきた助っ人未来人たちは私からすると重要な役柄にもかかわらず、影が薄い存在であった。

一作目のカイル・リースにしても、5作目、『ジェネシス』でのカイル役も俳優がパッとしなかった。

(明らかにリンダとシュワちゃんの存在がデカ過ぎる為)

 

 

しかし今回の助っ人未来人、グレースは背も高く、女性として今までの男性陣と比べると逆に存在感があり、改造人間としてターミネーターに対抗できる能力を持ちながら、中身は人間としての感情があるという所に魅力が出て十分存在感があった。

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3『サラ•コナー登場』

 

何とかREV-9の攻撃を一瞬巻いたダニーと弟、グレース。

すぐに外に飛び出してトラックで逃走。しかしその後をすぐに別の巨大トラックで追って来るREV。

ここからは『2』を連想させるカーチェイスアクションが始まり、現代技術を出しながらも、『2』へのオマージュを感じた。

 

トラックに乗りながら応戦するもトラックは横転。REVに逃げ場を抑えられた一同。

絶対絶命のその時、突然REVに撃ち込まれたロケットランチャー。

灰色の髪にしわくちゃの肌、デカイサングラスで突然現れたのはあのサラ•コナー。

 

手馴れた扱いで、銃をぶっ放す姿にファンは感動し、思わず「お帰り!リンダ!」と言ってしまいそうである。

 

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4.『ニュー•フェイト』

 

⚠︎ここからストーリーを大幅に端折るのと、話が複雑で分かりにくいかもです。

そして大幅にネタバレになります!

 

何とか攻撃から逃れ、行動を共にすることになったダニー、グレース、サラの3人。

その中で、『2』でサラ親子が食い止めた未来はまた別の未来が生まれ、結局ロボット達が反乱を起こし、ジョン•コナーが死亡した事によって、別の未来のレジスタンスリーダーが誕生した事、そのリーダーがダニーの子供で、その子供を殺害しようと現れたのがREVで、ダニーを守る為に未来のダニーの子供の部下であるグレースがやって来た、という事が判明する。

 

 

主人公のダニーはシリーズ一作目のサラコナーの役割を果たしてるという事だったのだ。

 

今回の題名「ニュー•フェイト」とは直訳した『新たなる運命』パラレルワールドのおはなし。という事だった。

 

 

となるとサラの存在はこの話には必要なのか?という疑問ができる。

 

 

しかしサラによると、ジョンが殺されたその後も、別のターミネーターが水面下で度々現れ、その度にサラは復讐も兼ねて戦い、ターミネーター•ハンターとなった事、"謎の人物"からネットを通じて出現するターミネーターの位置、情報が送り続けられ、今回もその謎の人物からの連絡で現れたという事が判明。

 

一同はとりあえずその"謎の人物"に会いに行く事にする。

 

 

 

 

5、『シュワちゃん登場』

 

”謎の人物”の居場所を特定した三人は、人里はなれた森にひっそりと佇むログハウスをみつける。ここに謎の人物が住んでいるのだ。外の車には「チャールズのカーテンやさん」と書かれた看板がある。 

 

家の玄関からでてきたのはあのシュワちゃん演じるおなじみのT-800型ターミネーター。 昔、ジョン・コナーを殺害したあのターミネーターである。

 

しかし見た目はしっかりと歳を食っている。

 

この時点でファンは疑問が多くなるが、「この疑問、どう処理すんだ?」という思いが先走った。 

 

シュワちゃんによると、ジョンを暗殺した後、しばらくこの時代にのこり、人間の生活に溶け込んでいるうちに、人間の女性と知り合い、触れ合ううちに、少しづつ人間の感情が芽生え、今ではその女性と連れ子の子供と「チャールズ」という名前で一緒に暮らしはじめ、見た目は違和感がないよう、少しずつ改造していった。という事だった。

 

おいおい!いくら何でも無理ないかい?(笑)

 

確かに2のT-800も最後にやっと人間らしいところが見えたが、さすがにあの殺人マシーンT-800が単に人間社会に溶け込んでいるだけで人間の感情が芽生え、しかも家族までもち、カーテンの販売をしているのはさすがにおかしいやろ!(笑)

 

何を思ってカーテン屋になろうと思ったんだよ!お前。(笑)

 

もう、この時点で、今後ターミネーターはコメディー要素のSFとして観るしかないのか?と思ってしまった。

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はい、とここまで大分端折りましたが、その後のストーリーは、シュワちゃんと4人でREV-9と戦うことになるんですが、途中でストーリーの先延ばしとしか思えない展開で、ダニーの息子が未来のレジスタンスの救世主になるのではなく、ダニー自身が救世主だという事が告白されるシーンなど、無理ありこじつけ感が多く感じてしまった。

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全体をまとめると、リンダとシュワちゃんがいないとターミネーターは盛り上がないのは確かだが、さすがに月日がち、この時点で二人の出演があるのには、設定にある程度無理やりがないと成り立たない。という事があり、鑑賞者も「そうだよねえ。シュワちゃんも歳だしねぇ」「このぐらいの違和感、大目に見ないとね。」というふうに暖かい視点が必要になる。という事が本作で確信した。

 

 

せっかくのリンダの復活でシュワちゃん引退もあるんだからもう少し脚本、設定を丁寧にしてほしかったという思いがありました。

とは言っても全体を通すと、映画としての見ごたえは十分にある作品なので、映画館でみる価値はある作品です。

 

 

ターミネーターはしっていて好きだという方は映画館で週末に恋人と1800円払って見ても全然いいと思います。

 

でも、今思えば、2以降の続編は空振りの連続でしたが、個人的に続編としての正解は核戦争中の未来という設定という事もあり、他と比べると見ごたえはありませんが、クリスチャン・べイルがジョン・コナーを演じた「4」がよかったんではないかと思います…。

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ターミネーター ニューフェイト』

総合点数。68点

 【内訳。ストーリー、脚本、30点。 キャスト、キャラクター、30点、アクションシーン、8点。】